フグ解禁、回転ずしOK?都が厳格規制を緩和へ
高級魚・フグの販売を全国で最も厳しく規制している東京都が、規制緩和に乗り出す。
22日に開会した都議会でフグの取り扱いを定めた都条例の改正案が成立する見通しで、10月からフグ調理師がいなくても、毒を取り除いた身欠きフグを販売できるようになるためだ。国内最大の消費地・東京で、回転ずしや居酒屋にフグメニューが並ぶ日も近い?
戦後の食糧難の時代にフグ中毒事故が多発したことを受けて、東京都は1949年、「ふぐ取扱業等取締条例」を制定し、全国で初めて「ふぐ調理師の試験制度」を導入した。都内のフグ専門店で作る「東京ふぐ料理連盟」の真貴田雄一会長は「フグ専門店が都に働きかけて制度を作り、フグは安全な魚として全国に浸透した」と説明する。
しかし、九州などでは身欠きフグの販売規制はなく、都民がインターネットで、規制の緩い県の店から直接購入することが可能で「規制と流通の実態が合わなくなってきた」(都福祉保健局)。最近は技術の向上で、有害部位を残したまま流通することはないとして、都では、安全性も確保できると判断した。
条例改正案には、与党の自民、公明両党と都議会第1党の民主党などが賛成する意向で、可決する見通し。可決すれば、都内でも10月から、フグ調理師のいない店でも身欠きフグを仕入れ、加工、販売できるようになる。ただ、フグの食中毒は全国で毎年20件以上あるため、フグ調理師がいない店は都に届け出た上で、「身欠きフグのみの取り扱い」という表示をしなければならない。また、「有毒部位除去済み」という表示のある身欠きフグだけを仕入れ、仕入れ元の記録を保管することも義務づける。
(2012年2月29日 読売新聞)
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